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 伊藤健太郎さんにとって再始動となる主演映画『冬薔薇(ふゆそうび)』が公開中だ。
名匠・阪本順治監督(『顔』『闇の子供たち』)が、伊藤さんとじっくりと話し合いをしたうえでオリジナル脚本を書き上げ、その場しのぎの人生を送ってきた青年・淳の物語を紡いだ。

 『十二単衣を着た悪魔』(2020年11月公開)以来の映画出演となった伊藤さんに、本作への思いや、再び歩き始めた俳優業への決意を聞いた。
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◆阪本監督と完全に初対面でふたりきりに

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――名匠・阪本監督とのお仕事ですね。

伊藤健太郎(以下、伊藤):このお仕事が決まって、たくさん連絡が来ました。俳優だけじゃなくて、仲のいい監督さんたちと会っても、「助監督時代に、阪本さんの助監督にどうしても入りたかったんだ」とみんな言うんです。そんな監督とご一緒出来て、本当に恵まれているなと思います。

――監督が脚本を書く前に、最初におふたりでじっくりお話されたとか。その際は正直、怖くなかったですか?

伊藤:正直、第一印象は怖かったです(苦笑)。完全に初対面だったのですが、入り口まではマネージャーさんが一緒に来てくれてたんですけど、はじめましての方と2時間ふたりきり、「えぇ!?」と思いましたね。「一体何を話すんだろう」と。もちろん、ある程度の覚悟はしていましたし、聞かれたことには全部素直に答えようと思っていました。ドキドキはしていましたけど。

◆淳を「自分と全然違う人間だとは思えない」

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――実際にお会いしていかがでしたか?

伊藤:すぐに、阪本さんの船に安心して飛び乗っていいんじゃないかと思えました。その2時間で、自分が生まれてからどんな環境で育って、どんな友達とどういう遊びをしてといったことも全部話しました。監督も、「じゃあ、次は俺の番だな」と言って、小さい頃からのお話しを色々聞かせてくださって、すごく素敵な時間を過ごさせてもらいました。

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――そうして出来上がった物語をどう受け止めましたか?

伊藤:淳とは環境も性格も自分とは違うんですけど、生きているなかで感じていることとか、監督とお話しさせてもらったことが反映されている部分があって、自分と全然違う人間だとは思えない感覚でした。すごく苦しくなる部分や深いところで理解できることが多くて、自分が出てしまいそうで、逆に演じるのが難しいなと感じるところもありました。

◆自分に手を差し伸べてくれる人がいる有難み

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――特にどんなところに共鳴しましたか?

伊藤:具体的なところで言うと、父親とのシーンですかね。お互いにもっと素直に気持ちを伝えれば、思いも伝わっただろうにと。淳に対しても、お父さんに対しても、不器用な感じがすごく理解できました。ただ、淳の孤独はすごく分かりますが、視野を広くしてみれば、自分に対して手を差し伸べてくれる人たちは結構いるとも感じてもどかしかったです。

――伊藤さん自身は乗り越えたからこそ、「もっと素直に」と言えたり、もどかしい部分があるのでしょうか。

伊藤:そうですね。淳とは状況が違いますが、僕は淳と比べて、自分に対して手を差し伸べてくれる人がいる、その有難みや温もりといったことに早い段階で気づけたと思います。だからこそ、淳を見ていて、もっとこうすればいいのにといった気持ちになりました。

◆「ありがとうございました」しか出てこなかった

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――より特別な作品、撮影だったと思いますが、クランクアップのときのことを教えてください。

伊藤:はっきりとは覚えていないんですけど。淳の父親役を演じた小林薫さんが酒瓶を持って船に乗っていくシーンを撮って、そのあと、まったく同じカットで、今度は僕が船に向かっていくシーンを撮影したんです。その、お父さんと同じ動きの撮影をしたことによって、なんだか繋がれた感じがするなと思えて、そのあと、オールアップになりました。

――「オールアップです」と言われたときは?

伊藤:やり切ったという思いと、終わっちゃったという両方の複雑な気持ちでしたが、今までに感じたことのない感覚におそわれました。「ありがとうございました」しか出てこなかったです。

◆歩き出せていなかったら、自分も淳のように

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――本作の撮影前には、お休みしていた期間もありました。その間、人から言われて響いた言葉などはありましたか?

伊藤:いろんな方々に温かい言葉をかけていただきましたが、その期間中は頭がパンク状態だったので、正直何も入ってこなくて。自分の中でグルグル考えているだけの時間でした。あとになって思い返してみると、そのときにいろいろかけていただいた言葉だったりが、もちろん厳しい言葉もありましたが、そういったことも含めて、有難い言葉だったんだなと感じます。

――こうして映画も公開になり、歩き始めた今だからこそ、振り返って考えられるのでしょうか。歩き出せていなかったら、いくら周りがいろいろ言ってくれても内にこもったままだった?

伊藤:間違いなくそうだと思います。歩き出せていなかったら、自分も淳のようになっていたかもしれない。でも自分は環境にも人にも恵まれていて、こうして現在まで来れたと思います。

SNSの言葉も受け止めないと

――伊藤さんはSNSを使われていますが、良し悪しがありますよね。

伊藤:お休みしていた期間中も見ていました。かなり厳しい言葉もありましたが、全部受け止めなきゃと思っていました。この先もっと大変なことがあるかもしれないのに、ここでへばってしまったら、もうこの業界でやっていけないと思いました。へこたれるときもありましたけど、ダウンしたら本当に終わってしまう。だから受け止めないとと思って見ていました。

――現在、ご自身でも発信されています。

伊藤:仕事のお知らせを含め投稿していけたらと思っています。そのことに対してもいろんな意見や批判ももちろんありますが、それはしょうがないことだと自分でも分かっていますし、この世界でやっていくと決めた以上は、向き合っていかないといけないと思っています。

◆本当にいい仕事だなと、また好きになった

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――大ベテランの方々とも共演した作品です。そのことによって、これからへの思いに変化はありましたか?

伊藤:現場で小林さんや石橋蓮司さんといった、自分の親より歳が上の先輩たちと共演させていただいて、たとえば自分が蓮司さんのように80歳になったとき、あれだけ背筋を伸ばして現場に行けるかなと考えると、すごい方たちだなと。先輩たちの後ろ姿が本当にかっこよくて。これからこの世界で生きていくうえでの力をもらいました。大変なこともあるけれど、本当にいい仕事だなと、また好きになりました。

――最後にひと言お願いします。

伊藤:生きていくうえで考えなきゃいけない部分を与えてくれる作品だと思います。ぜひ劇場で観ていただけたらと思います。

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<取材・文・撮影/望月ふみ>

【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異 Twitter@mochi_fumi

伊藤健太郎さん


(出典 news.nicovideo.jp)

冬薔薇ふゆそうび)』は、阪本順治監督により2022年6月3日に公開の日本映画。主演は伊藤健太郎。 監督の他に脚本も担当した阪本は主演の伊藤を当て書きして脚本を執筆をしたと語り、さらに脚本の執筆前には伊藤にこれまでのことを色々と執拗に聞き取りをした時に、伊藤が一切自分を誤魔化さずに洗いざらい話し
5キロバイト (582 語) - 2022年6月2日 (木) 19:24

【伊藤健太郎】
伊藤健太郎(けんたろう、1997年6月30日 - )は、日本の俳優。 旧芸名は、健太郎(けんたろう)。東京都出身。aoao所属。 14歳でボン イマージュに所属。雑誌、広告を中心にモデルとして活動し、2014年、ドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で本格的に役者デビュー。演技が注目され、話題を集める。2018年6月30日21歳の誕生日を迎えたことを機に芸名を本名の伊藤 健太郎名義に改名することを発表。
★テラスハウス(2016年2月~フジテレビ、Netfilx)スタジオコメンテーター

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